注記:この記事は、Amplitudeのデータ分類法戦略シリーズのパート1のものです。読み逃した際には、パート2およびパート3をここで読むことが可能です。
イベントベースの分析プラットフォームにデータを送信する前に、最も重要なステップは、どのイベントを追跡し、送信するかを確認することです。優秀で念入りに計画されたインストルメンテーションの重要性は、言うまでありません。インストルメンテーションを軽視すると、イベントの省略、不適切な命名、プロパティの誤用などの問題は、不必要に分析を複雑にし、データの価値を十分に活かすことがことができなくなります。
この事が簡単に行えるよう、当社はデータ分類法を作成するために、この3パート構成の戦略を作成しました。パート1では、あなたのデータ分類法がAmplitudeを使用したエクスペリエンスをどのように導き、形成するか、ユーザーが製品を操作するエクスペリエンスの概要を説明します。パート2では、あなたのデータ分類法の主な2つの要素である、イベントおよびプロパティを詳細に分析します。最後に、パート3では、データ分類法をゼロから構築するための業界別の提案をいくつか紹介します。
当社の「クイック・スタート・ガイド」を読んでから、Amplitudeでアプリケーションのインストルメント化の開始を推奨します。
データ品質に関する注記
イベントをインストルメント化する際に、一連のデータ・ガバナンス・ルールを確立し、実行することが非常に重要です。これらのルールにより、あなたの分類法をクリーンな状態に保ち、組織内の人々がAmplitudeを活用して、データから意味のある結果を得るようにします。
ビジネスルールを作成する際に考慮すべき一般的な事項:
- 目標/使用ケースおよびKPIに合わせた新しいデータが一致することを確認する
- イベントの命名に一貫した方法を作成する
- イベント名は、ケーシングおよびフォーマットガイドラインの統一が必要
- 読みやすくなるように、長い文字列を短縮することを考慮する
何より、命名方法を統一してください。例えば、「Checkout Submitted Order」や「Checkout submitted order」のような2つのイベントを追跡する場合、2つが別のイベントとみなされ、自動的に統合することができません。さらに、Amplitudeを使用している他のチームメートを混乱させてしまいます。
この役立つビデオから、当社のデータガバナンスに関するベストプラクティスの詳細を学ぶことができます。
ビジネス目標を定義する
あなたとチームは、何に対して活動していますか?全体的な目標は何ですか?まず、Amplitudeを活用する理由は何ですか?Amplitudeには、あなたが達成するのに役立つあらゆる種類のビジネス目標があります。
Amplitudeの顧客が追及する典型的な目標には、次のものがあります:
- 製品戦略を設定する
- 獲得ROIを改善する
- エンゲージメントを対象にする
- コンバージョンを最適化する
- リレンションおよびLTVを向上させる
組織全体的な目標を特定したら、一連の主要なパーフォーマンス指標(KPI)を確立することが、それに向けて活動を始める最も最良の方法です。これらは、目標を達成するために、改善に重点を置いた指標です。
例えば、ビジネス目標は、コンバージョンを最適化することとしましょう。KPIには次のようなものがあります:
- オンボーディング・コンバージョンを改善する
- チェックアウト・ファネル・コンバージョンを改善する
KPIを追跡し、目標を達成するための適切なイベントを送信できるよう、データ分類法を考慮する前に、これらを定義する必要があります。
ユーザージャーニーを理解する
イベント分類法を作成し始める際に、製品を通してのエンドユーザージャーニーを忘れないでください。分類法により、分析を3つのレベルに分割できるようにする必要があります:
- イベントカウンター:毎日/毎月の平均ユーザー、合計購入等
- ファンネルおよびコンバージョン:リテンション率、ファネルコンバージョン、パワーカーブチャート
- 行動分析:他の指標に関するアクションを実行する影響
新規ユーザーからパワーユーザーへの典型的なユーザージャーニーがどのようなものであるべきか、製品を十分に理解する必要があります。ここでの考え方は、ユーザーがこれらの状態の間で移行する要因を理解することです。これらの主要な領域の明確に定義されたイベントを追跡することで、ユーザーが製品の進行に役立つ(もしくは妨げること)パターンのより良い分析に役立ちます。
製品のクリティカルパスを理解する
どのアプリケーションにもクリティカルパスがあります。クリティカルパスは、製品の目的に合わせたユーザーが行う一連の動作です。例えば、eコマース製品のクリティカルパスには、次のようなものがあります:
検索→製品を参照→カートに追加→チェックアウト→注文確認
ゲーム製品の場合、クリティカルパスは、ユーザーがアプリを開き、登録が促され、ゲームのチュートリアルを通じて行われるところから始まるかもしれません。
一連のイベントに、このオンボーディングのプロセスもしくはパスを分けることが可能です:「アプリオープン」、「登録ー追加された個人的情報」、「登録ー選択されたアバター」、「登録ー完了」「ゲームチュートリアルー開始」および「ゲームチュートリアルー視聴」です。
それが完了したら、そのクリティカルパスおよびそれを取り巻くフローを最も良く理解するために必要な追跡の種類を体験し、決定してください。例えば、どのぐらいの人が注文し、チュートリアルを見終わったのかを知るだけでは不十分で、どの要因がその重要なイベントを引き起こしたのかも知る必要があります。
Amplitudeプロジェクトおよびデータ分類法
Amplitudeで、プロジェクトは製品のイベントデータが全部収集される場所です。Amplitudeの組織内に複数のプロジェクトを持つことが可能です。しかしながら、Amplitudeの組織内に最低2つのプロジェクト(テストプロジェクトおよび生産プロジェクト)があることが極めて重要です。生産プロジェクトを送信する前に、テストプロジェクトで常にインストルメンテーションをQAし、インストルメンテーションのバグをキャッチして、テストデータを生産データと分けて保管する必要があります。
1つのプロジェクトに送信される全部のデータは、他のプロジェクトから独立しています。プロジェクトの総数は、製品およびビジネス目標に依存します。例えば、プラットフォームにわたってユーザーを分析したい場合(ユーザーの全般的なストーリーを確認し、ウェブ上で異なる関連したイベントではなく、iOSデバイスで1つのイベントを引き起こす意味を理解したい場合)は、単一のプロジェクトで全てをインストルメントしたくなるでしょう。
注記:Amplitudeは、現在、使用可能なクロスプロジェクト分析をサポートしていません。あなたの組織にポートフォリオのアドオンがある限り、全部のデータがプロジェクト間で分離されます。
しかし、もしあなたの会社が:
- 複数の製品データを確認したい
- プラットフォーム(ウェブ対モバイル)間で根本的に異なるエクスペリエンスがある
- 各プラットフォームもしくは製品に責任を持つ個人や独立したチームがある場合
そのあと、サイロ(製品、プラットフォーム等)に対して複数の個別プロジェクトを設定する必要があります。これにより、データ分類法をクリーンで理解しやすい状態にすることができます。
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